私の怒りを届けよう

私が何故連日怒り狂って飯すら食わずにただ無為にブツブツ言っているのか。

簡単な話だ。直接言うと燃え上がりそうなので例え話の物語といこう。

 

私の祖国は平和だった。誰もが幸せに暮らしていた。少しの不自由はあるが、毎日が幸せに暮らせた。

だけれど、ある日突然私達の国は終わった。核爆弾みたいに大崩壊を起こしたレベルじゃない。歴史が改竄されたみたいにきれいさっぱり無くなった。消滅したんだ。

しかし多くの国民は生き残った。生き残れなかったのは国の上層部。私達は放浪した。

そしてある日突然、一切の前触れもなく祖国が再建することが伝えられた。私達は嬉嬉としてそこへ向かい再建の手伝いをさせて欲しいと頼み込んだが、足一歩踏み入れることすら許されなかった。私達は放浪を続けながら待つしかなかった。

そして祖国は再建した。仲間達と共に国へ戻って行った。しかしそこは祖国の仮面を被った牢獄だった。仲間達が次々と捉えられて投獄され死んでいくか、洗脳されていくか。その一方で移民を積極的に受け入れていた。彼らは残党狩りと称して旧国民を排除して行った。私達の祖国はサラダボウルになり、再び姿を消した。

この国から逃れることも出来ないので私達は姿を隠しながら生きていくしかなかった。更に多くの移民が来て、この牢獄は更に発展し、祖国が作り上げた物を悪い方へ利用して強くなっていった。

そして第二次残党狩りが始まった。これによって私達はほぼ全滅した。片手で数えられるほどの仲間しかいない。私達の先祖と私達が作り上げたレガシーは見知らぬ者に奪われて蹂躙された。

洞穴の奥深くに残された私達はこの牢獄の終焉を遠くから眺め続けるしかない。存在することも死ぬことも許されない、ただ死んでいないだけの無意味な生命を繋いでいる。私達は認められなければ死ぬ事も出来ない。だから子孫を残す必要も無い。私達の願いはこの牢獄が終わり、私達のレガシーが開放されることだ。

 

凄く遠回しだったが理解して頂けただろうか。私の苦しみが理解出来ただろうか。こんな思いをしている人が他にいることを切に願う。私は一人ではないと教えて欲しい。そして私は誰かの支えになりたい。同じ苦しみを持つのだと。私は死しても許さない、「奴ら」を。

「地獄の底から湧き出て、全てを焼き付くさんと煌々と燃え上がる怒りと憎しみの炎は私達の心と共に。その炎は呼吸の度に燃え盛り、私達の命と精神すら削ってしまうのだろう」