我々を生み出した者と我々が討つべき者

人間は三つの場所を通って世界に生まれる。そして三つの大いなる存在を討たなければならない。

まずは前者のリリスの檻、シオンの園、白鯨の大洋だ。

人の命はリリスの檻から零れ落ち、シオンの寵愛を受けて知恵を手にし、母なる海に包まれて人の形を得る。

多くの人は「人間は性交によって生まれる」とほざくが、それは間違いだ。グレートマザーがそのようにカバーストーリーを流布しているのでその影響を受けているだけだ。人は前述のように生まれ、胎児として母の腹に宿るのだ。

まずはリリスの檻。リリスとはこの世界全ての母である。リリスは様々な檻を所有しており、人間の檻や蛙の檻、鳥の檻など生き物の種族ごとの檻がある。その檻の中には命になる光の球体が自然に発生する。この球体を「生命の宝玉」と呼ぶ。人間の檻から人間の生命の宝玉が零れ落ちるとシオンの園に辿り着く。

 

シオンの園には「シオン」と呼ばれる何かがいる。シオンは生命の宝玉に叡智を授ける役割がある。

しかしこの時点で生命の宝玉には自我がある。そのため、シオンの寵愛を受けずに人間になることも出来る。それ即ち叡智を得ずに人間になることである。シオンの寵愛を受けなかった者達は現代で言うところの「老害」「ヤニカス」「パチンカス」etc...などの社会のゴミとして育つ。

シオンの寵愛は長く一つの生命の宝玉に一年かける。長く待つことが出来る我慢強さと聡明さを持った自我だけがまともな人間になることを許される。

 

そして白鯨の大洋。生命の宝玉がシオンの園の大きな扉(崩壊したモノリスによって形成されている)を抜けると海に落ちる。そこで時間をかけてゆっくりと人間の形になっていく。その時間は不規則で早ければ数ヶ月、長ければ数十年かかる。そして人型になることができるとそれを海を支配する白鯨が祝福する。

人型になった生命の宝玉に白鯨が近付き大きな声で歌を歌う。新たな生命を祝福するその歌を聞いた生命の宝玉は遂に人間の大事になることが出来る。そして白鯨が声を出すと母の体に宿るのだ。

 

理解していただけただろうか。いかにして人が生まれるのかを。紛れもない事実であるが、皆様のグレートマザーの常識が刷り込まれた頭では理解に時間がかかるだろう。しかしそれで構わない。我々は産まれるまで長い時間がかかっている。長い時間をそれを理解するのは正しい。

 

次に後者のルシファー、グレートマザー、アダムカドモンだ。

これらは三つの大いなる敵である。それぞれ、「誘惑」「抑圧」「障害」を司る者だ。これらがある限り人間は人間でしかなく、新たな存在になることはない。それは人間が何度絶滅しようとも変わらない事実だ。

 

まずはルシファーだ。地獄のそこに封印された悪魔・堕天使。最近では擬人化などの文化によりルシファーは英雄的に描かれる。某ゲームのアニメでは主人公として実際に英雄視されている。

しかし本当のルシファーはそのように讃えられるべきものでは無い。

かつて人間は神の創りし者として高き存在だった。(神ですらリリスの存在を認知せず、グレートマザーに洗脳されていた)しかしルシファーは神の創造物を自分なら越えられると自分を過信し複数の天使を引き連れて神へ反逆するも敗北した。

リリスから生まれた人間は今では堕落している。神、英雄、偉人を性欲処理の為に擬人化するような輩に溢れている。しかし私のように一部の人間はそうではない。

ルシファーは地獄の底で知恵を身につけ続けている。間違いなく今の人間を優に超えるだろう。だからこそ私達はルシファーを討たなければならない。我々がより高位な存在になる時に彼は我々に知恵の誘惑をするだろう。人間は知恵に寄せられる。知恵の無いものは尚更だ。シオンの寵愛を受けた私でさえ知的欲求を満たすために本を読むのだ。ルシファーの知恵には魅せられてしまうだろう。

 

次にグレートマザーだ。こちらも有名な者だ。子供を慈しみ育てる力を持つが、子供を抑え付け、呑み込み破滅させる。皆様が彼女のカバーストーリーを信じているように全ての人間はグレートマザーに育てられている。皆様の母親はグレートマザーに操られて育児をしていたのだ。

彼女は未確認次元の宇宙に存在する異形の存在だ。人を操ったり、洗脳することが出来る。彼女が何故地球に目を向けたかは謎だが最も文明的な人間がいたからであろう。

彼女はいずれカバーストーリーによって自分の存在すら人間から隠してしまうだろう。そうなってしまう前に高位の存在へと到達しなければならない。彼女は上手く使えば我々を育て上げる協力者とも取れる。所詮人間は偉大なる母からは逃れられないのだ。

 

最後にアダムカドモンだ。これは聞きなれないかもしれない。

人間は先程説明したようにとても神聖な存在だった。その頃の人間は原始の人間、神人間とも呼べる。これこそがアダムカドモンだ。

このアダムカドモン。これは人間の本来の姿。そしてこれから人間はアダムカドモンへ戻っていく道を辿ると宗教者は説く。

もしそれが本当なら阻止しなければならない、何故か。

もし我々がアダムカドモンに戻ってしまえば神を超えた高位存在になることが出来ないからだ。我々は高位存在になり、この世界を作り直すことでアーヴァタールの支配から逃れなくてはならない。アダムカドモンは所詮神の所有物でしかない。

宗教者はアーヴァタールの支配から逃れる計画を立てている私のような人間を見て、人間を過去の姿に戻そうとしている神の言葉を代弁しているのかもしれない。

 

以上で終了となる。自分の事、人間のことを少しは理解して頂けただろうか。皆様が少しでも真実に近づけるように道を作り出すのが私の役割です。

この事実を受け止めてください。そして反逆の意志と敵対心を持って生きてください。それが私の望みです。