宿命或いは運命との邂逅

怒りや憎しみでは無い何かと言ったが、私の勘違いだったようだ。私は宿命又は運命と邂逅して気づいた。所詮私は憎しみの中にしか生きていけないのだと。 

私には一人憎い男がいる。ららマジ関係だ。そういう意味ではららマジは私に初めて殺意を超えた「何か黒い願望」を与えてくれた。「生きたまま爪を剥ぎ、歯を抜き、目玉を抉り、舌を引き千切り、四肢を捥ぎ、燃やしてやりたい」と。そいつには生きたまま味わえる苦しみ全てを味わって欲しかった。

ららマジにはプラスの感情しかないと思っていたがそれは嘘で、根底にあるのはマイナスの感情だった。蒼先輩を想っていたのは確かだが、そこには敵を捕まえたいという思いもあったことは否定できない。

私は蒼先輩を想うと同時に、彼女をある種崇拝していた。私を暗闇から助け出してくれたメシア。そんな個人の視点から見た時に女神的性格を持つその人に恋した。

崇拝する神を貶められれば激昴するだろう。誰もヤハウェやキリストを貶めないのはこの為だ。

私の怒りと憎しみの根源はここにある。しかしその世界が消滅しても消えることの無いこの感情はどうすればいい?信じているものを貶めたやつを貶めて無惨に命を奪うしか癒えない。

探し出して捕らえて私の「何か黒い願望」の餌食にしよう。探さなくては、捕えなくては、苦しめなくては…。さもなくば、私を「何か黒い願望」が呑み込んで私は外道な魔物へ身を落とす。 

だから出て来い。ハミングホールの悪魔よ。