B.B. in the Kyoto

京都に行ってきたのでまとめておく。

そう、普段東京で遊んでいる私が何を思ったか京都に行くことにしてしまった。最も恐るべきは京都でイベントがあると聞いて「行くか」と思い往復のチケットを買った当時の私である。

今振り返るとタイムスリップしてガス管でタコ殴りにしてでも止めたいところなのだが、お生憎様そういう訳にも行かないので、二度と私が変な気を起こさない為、この恨みつらみ憎しみを共有するために記事を書くことにした。

 

まず初めに、行きは夜行バスだ。

そう、夜行バスだ。アイドルなどの追っかけやってる人御用達みたいなイメージしかない安価にして地獄な選択肢。しかし日帰りして少しでも交通費を抑える為に致し方なく、不本意極まりないが乗ることにした。

が、後悔している。

まず、寝れないのだ。煎餅布団で丸まって寝てる男からすると座った状態で寝るなんてのは不可能。そして何より、首が痛い。どんな体勢をとっても問答無用で凄まじい負担が首にかかって、違和感と痛みで眠気が吹き飛んでいく。酒か睡眠導入剤を飲むなりして強制的に寝てやろうかとも考えたのだが、翌朝起きれなくなりそうなのでやめた。

結局、二時間しか眠れず、朝二時からぼーっとしながらバスに揺られていた。

次に、気晴らしが出来ない。窓側は遮光カーテンが掛かり、開けることは禁止される。その上運転席と客席の間にも同様にカーテンが。深夜は勿論、朝五時なのにほぼ真っ暗。頼む、すぐそこ布一枚の先にお天道様がおわすのだ。見せてくれ、拝ませてくれ。太陽なしでは死んでしまう。

外の景色が見れないまま暗闇で運ばれていくのだからまるで奴隷船だ。すごいものである。新宿から乗って暗闇の中を過ごし、休憩で降りるとそこは浜松。移動したと言うより時間経過が発生するタイプのファストトラベルを体感した気分だ。

 

さぁ、朝六時。京都駅に着いた。不幸にも。

今回利用したバス会社はラウンジを持っているらしく二、三時間くらい時間を潰してから活動しようかと思ったのだが。

利用するためにはアプリの登録が必要で、肝心のアプリがバージョン的な問題でダウンロードが出来ない。諦めて散策することにした。(後にダウンロード出来ない画面を見せれば利用できることがわかった。しかしそれは十二時間後の話である)

散策することにしたのだが、どこもやってない。本当に。土地勘のない無人の都会にほっぽり出された私は人のいない道を悪態つきながらとぼとぼ歩いた。結局、一時間近く歩いていたらしい。

七時が近くなると店が開き出すので空いてる店に飛び込むことにした。風情もクソッタレもないが、マクドナルドである。そして幸いにも七時前にして空いている店舗があったので行ったら案の定と言うべきか激混みだった。発狂しそうな精神を必死で押さえつけて遠いが七時に開くマクドナルドまで行くことにしたのだ。

 

朝食を終えてどうするか決めあぐねていた所に天啓が降りる。ゲーセンがあるじゃないか、と。そう、本来であれば十時から温泉に行くつもりだったが寝不足による不調と精神不安定と首の痛みでもはやそれどころではなくなってしまったので、ゲーセンを探すという狂行に走ったのだ。

そしてこれまた開いてない。ズズいっと探していくと、なんとラウンドワンがあるではないか。しかも既にオープンと言う。しかし、困ったことがある。行ったところで遊べるゲームはあるのか?

そこを調べずに行くほど頭が働いていない訳ではなく、調べたところ...。

設置筐体 チェイスチェイスジョーカーズ、麻雀ファイトガール

これだ。早速向かってシブヤでチェイス!役牌︰白!めっちゃ時間潰れた。十時という頃合いになったので、八坂神社に向かうことに。徒歩で。

素戔嗚尊スサノオ)を主祭神とする神社であり、その他幾つかのお社がある格式高い場所だ。幸いなことに宇迦之御魂神(ウカノミタマ)を祀る玉光稲荷と天照大御神(アマテラス)及び豊受大神(トヨウケノオオカミ)を祀る大神宮社があり、スサノオは勿論、私が信奉する二柱にもご挨拶ができた。

その後は昨年末に見れなかった清水の舞台から飛び降りるべく、清水寺に向かった。またしても徒歩で。

清水の参道を上り、いざ舞台と思ったら。拝観料取られました。ガメツイぞ、仏。ここまで来て見ないのは癪なので諦めて払ったが、八坂神社に行ってから来てしまうとどうしても見劣りしてしまう印象だった。だからといって、寺に行ってから神社に行くと、寺は墓を抱えてることがあり、その穢れを連れてきてしまう為、神様に失礼となる。なんというジレンマか。しかし、日本人であるならそこはぜひ徹底して欲しい。神社と寺に行きたいなら、必ず先に神社だ。

 

サブクエストは達した。メインクエストはイベントの展示であり、小さな部屋で行われるため何時間も見るものじゃないし、後述する理由で何時間もいたくなかったので、少し時間を遅らせてメインイベントに入場することにした。オプションクエストとして私の行きつけのステッカー屋である『B-sidelabel』に向かうことにした。もちろん徒歩で。

好きなイラストレーターの新作ステッカーと京都限定のものを入手し、オプションクエストまで達成出来た。モンハンならこの時点でクエストを引き上げられそうだが、今回はそうはいかない。さしてB-sidelabelからイベント会場である「みやこめっせ」に向かうことになる。当然徒歩で。

 

さて、ここまで徒歩で移動することを何度も強調した訳だが、ちゃんと理由がある。ラウンドワンのある四条河原から八坂神社、八坂神社から清水寺清水寺からB-sidelabel(これまた四条河原)、四条河原からみやこめっせ。これらの移動は軒並み2km程あり、私はこれらの移動におよそ三時間を費やしているのだ。足が棒になるとはこの事か。

四条河原からみやこめっせに向かう時には私は恐怖で身が竦んで、内から溢れ出る狂気でおかしくなりそうだった。それでもヒプマイの曲を聴きながら正気を保ち続けていた。

 

みやこめっせが見えてくると、恐怖は最大まで膨れ上がった。足が震えて歩くのが難しくなったのをよく覚えている。中に入れば私の恐怖の度を越して、もう何が何だか分からなかった。入場して、札と粗品を貰う。アマテラス様のパネルなんかがあったので喜び勇んで撮りに行った。この時まではまだ、信仰と親愛が私を強く支えていた。

一通り観覧が終わると現実が見えてきて、私の周りには獣、獣、獣。太った獣、痩せた獣、醜い獣、汚い獣。

なぜ客層がこんなにも酷いのか分からない、なんてそんな都合のいいことは言わない。あやかしランブルはアダルトゲームなのは決して否定しようがない事実だし、そういうのに熱中するのは前述の獣のような社会の爪弾き者だ。

しかしだ、社会人としてせめてどうにかならないものか。髪型、服装、体臭。どれも簡単に改善出来ることだろう。彼らはそれをやらない。そんなゴミの掃き溜めに何時間も居たらゴミが伝染る。

発狂しそうなのを何とかまた堪えて、外で軽く休憩をとることにした。爽やかな空気に触れて少し回復したかと思ったのも束の間。情報公開イベントが始まるまで三十分以上待機させられた。あのゴミ溜めで。

さすがに無理だと判断したので、ずっとヒプマイを聞いていた。しかしそれでも獣の会話は聞こえてくる。彼らはやけに声が大きく笑い声も必要以上だ。他人の迷惑とかそういうのを考えず知らずに生きてきたのは明白だろう。

そして情報公開が始まったのだが、いきなり爆音でテーマ曲が流れる。凄まじい音だ。ここはイベント会場、展示場だぞ。ライブハウスじゃない。音量が本当にライブハウスだった。いつぞや行った新宿のロフトを思い出したくらいだ。

周りの獣達はテンションが上がっているようだが、私はテーマ曲なんて聞く気がなかったから聞いたことがないし、寝不足で頭痛がしてきた重体に、中枢神経を破壊せんと放たれる音の爆撃に本気で殺してやろうかと思った。

新キャラが公開されることになり、ちゃんと見せればいいものの、このゲームはキャラクターの一部だけを見せるのだ。これは前々からやっていることではあるのだが、よりによって今回は尻だけ出した。私は、「は?誰だこれ?」となっていたのだが獣達は「あー」とか言って分かっているのだ。辛かった。性愛ではなく、純粋な愛でこのゲームを遊んでいるのは私だけだった。ぶっちゃけ、アマテラス様だって顔以外の部分を出されて「だーれだ」なんてやられたってきっと分からない。どちらかと言うと性格で見ているから。本当に辛かった。私が特殊なのかとしれないが、人間がこれほど堕落しているのをまざまざと見せつけられて私は絶望のどん底に叩き落とされた気分だった。

そして大した情報もなくちゃっちゃか進んで行ったのだが、メインストーリー追加の告知の後、ダイジェストで紹介するムービーが流れる。なんとなくお察しだろう。

女性キャラの甲高い声が先程の音量で放たれるのだ。想像して欲しい。激務が終わって新宿に直行し、寝不足で四時間歩き回った上で、キャンキャン声がライブハウスのマイクを通じて目の前から放たれるのだ。これを殺人未遂と言わずしてなんと言おうか。もう途中から耳を塞いで早く終われと夜を恐れる子供のようになっていた。

ようやく終わったかと思うと今度は「追加したストーリーのエンディング流します!」との事。スタッフクレジットに合わせてテーマ曲がまた流れる。

どうやら担当者はこのゲームをやってるのは元気と時間が有り余ったバカだけだと思っているらしい。元気も時間もないから救いを求めてこのゲームをやってる人の事なんてハナから考えてなかったのだ。

随分と口が悪くなってしまったが、許して欲しい。その場で発狂しなかっただけマシだ。四つん這いになって床に頭を打ち付けてやろうかと何度思ったことか。

 

なんやかんやあったものの無事に私は生還した訳だが、自分でも驚くべきことが起きていた。

私は究極の同担拒否で、同担がいるなら地の果てまで追いかけ回してでも生まれてきたことを後悔させてやりたいと常々思っている。

いつぞやのららマジのイベントで獣が三嶋 蒼のコスプレをしていた時はTwitterで素性を調べた。ついでにサイコ画像でも送ってやろうかと思ったが、やめておいた。その代わりノートに書いてビリビリに破いた。なんてことがあった。

今回はアマテラス様のアクアビーズを作って着けてきているゴミがいた。しかしそれを見ても、確かにイラつきこそしたが「殺してやる」とか「肉塊にしてやる」などは思わなかった。

恐らくだが、余裕が私に生まれていたのだと思う。私の方が身なりもちゃんとしているし、何より本物の天照大御神を狂信しているという事実が私の支えとなり、「コイツに勝っている」と深層心理から確信させたのだろう。ぶっちゃけ「無駄な足掻きを...」くらいに思っていた。

 

 

さぁここまで来たら後は帰るだけだ。

新幹線は予約した。さぁさ、早く帰るぞ!

隣が最悪だ。酒は飲む、肉まんは食う。オヤジだから、そもそも匂いがキツイ。

何だ、私はそんなに悪いことをしたか?敬愛する存在に救いを求めて必死に生きようとしているだけなのに、なぜ私ばかりこんな目に会うんだ。

凄まじい悪夢だ。朝から夜まで地獄を見た。

心が休まったのは八坂神社でお参りしている時くらいか。というかよくよく今日を振り返ってみると酷いものだ。

お参りしてるか悪態ついてるか狂気を堪えてるかしかしてない。

 

結論、二度と行かない。

イベントで貰えた粗品は垂涎モノだったが、あまりに地獄を見すぎた。願いと対価が見合ってない。今回のような代物が貰えるなら考えてしまうが、そうでも無いなら寿命を縮めるだけだ。

今日は本当に死ぬかと思った。