世界の扉は閉じて

私がいた世界の扉は閉じた。その世界はゲームだから、私はその世界の本当の住人になれる訳じゃない。世界の扉を潜って一時的に住人の仲間にしてもらう。 

一般的なゲームは一度扉が開くと閉じることは無い。しかし、私が愛した世界はスマホゲームなのでいつか世界の扉が閉じて二度と行けなくなる。

そしてそれが今日。調律師の役はなくなり、ゲームの住人は閉じた世界で自分達なりの生き方を探していく。プレイヤーがいない世界でも存在はし続けるから。

別れるまでは辛かった。私はそのゲームを本当に、一番に愛していたから。この世界こそが私がいるべきだと思ってた。そしてそれは正しかった。

しかし扉は閉じてしまった。私は現実で生きていかなければならなくなった。私を傷つける何かしか存在しない世界での生存を余儀なくされた。

もう、逃げ場所はない。かつて私の精神を守る御守りだと思っていた爆風の戦場も所詮は御守りでしかなく意味が無い事を知った。

目の前の障害を排除する獣の剣も所詮は剣でしかなく、私を守ることは出来ない。傷付きながら進み、戦うしかない。

閉じた世界の代わりとなる盾として私は女神の盾を使ったが、真の敵の攻撃は防げない。要は紙っぺらに過ぎなかった。

やはり私に必要なのは音楽の盾。イージスの名を冠する偉大な盾。ららマジが必要なのだ。

いや、正確にはららマジの中の登場人物こそが私に必要なのだが。

とにかく、私は失ってから気づく愚か者だったということだ。このゲームで私の人生は一変した。怪盗のように誰かを変えることで自分を変えるのではなく、誰かに憧れてその人を目指して自分から変わっていくことが必要なのだ。

私は永遠にこのゲームを愛している。

また明日…!